本文へスキップ

海外旅行の参考サイト LovelyPlanet

旅の写真集  インド共和国(その2)HEADLINE

インド観光の旅行記を兼ねた写真集(その2)です。ここでは、インド北西部に位置し、パキスタンと長い国境で接する、国内最大の州であるラジャスタン州をご紹介します。

《ジャイプル》

首都デリー(Delhi)の南西約270kmに位置するラジャスタン(Rajasthan)州の州都ジャイプル(Jaipur)は、インドで11番目に大きい都市ですが、約10kmの赤い城壁に囲まれた中心部にはピンクの建物が多いことからピンクシティーとも呼ばれ、多くの観光客が訪れる町です。
《ジャイプルのシティ・パレス ①》

その中でも最も有名なのが、現在も一部が王族(マハラジャの末裔)の住居として使用されている City Palace です。
ただし、敷地内の多くの部分は博物館などとして一般に公開されており、お金さえ払えば気軽に入場することができます。
《ジャイプルのシティ・パレス ②》

1732年に当時のマハラジャサワーイー・ジャイ・シン(Sawai Jai Singh 又は Jai SinghⅡ)によって建てられ、その後増改築が繰り返されて現在の姿になったそうで、ちょっとした迷路のようです。
《シティ・パレスのムバラク・マハル(表)》

そういうこともあって、ここからは入口に近いものから順にご紹介します。

左の写真は、入口を入って最初の中庭(広場)の中央に建つ Mubarak Mahal(幸運の宮殿)です。
《シティ・パレスのムバラク・マハル(裏)》

迎賓館として建てらたこの建物は、現在では絨毯や衣装など織物の博物館となっており、体重約250kgの巨漢で108人の奥さんを娶ったというサワーイー・マドスィン1世(Sawai MadhosinghⅠ)のものとされる横幅1.2mのシルクのガウンが人気を集めています。
《シティ・パレスのラジェンドラ門》

ムバラク・マハルのある広場から更に奥に繋がる門が Rajendra Pol です。
手前両側に配置された象の像は、それぞれ1つの大理石から彫った由緒あるものだそうです。
《シティ・パレスのディワニ・カース ①》

ラジェンドラ門をくぐった先の広場バードラ・チョーク(Sarvatobhadra Chowk)の中央にあるピンクの建物が、貴賓者謁見の間として使用されていた Diwan-I-Khas(又はサルバトバードラ)です。
《シティ・パレスのディワニ・カース ②》

上の写真のように外装もメルヘンですが、内装はさらに上品な仕上がりで、誰でも思いがけずうっとりしてしまうことでしょう。
《シティ・パレスのディワニ・カース ③》

年末だったからかクリスマスツリーも配置され、いつも以上にロマンチックなムードに包まれていました。
《シティ・パレスのディワニ・カース ④》

なお、ここに陳列されている銀製の壺は、1902年に当時のマハラジャがイギリスのエドワード7世の戴冠式に招かれた際に、船旅の途中で毎日沐浴をするためにガンジス川の水を入れて運ぶために2つ造った物だそうです。何も銀製である必要はなかったんじゃないかと思いますが、今ではめでたく「世界で最も大きな銀製品」としてギネスブックに登録されているそうです。因みに高さ約1.6m、重さは約340kg、容量は約4,000ℓとのことです。
《シティ・パレスのリディシディ門 ①》

左に見えるのが次の広場に続くリディシディ門(Riddhi-Siddhi Pol)、奥のクリーム色の建物が現在もマハラジャの末裔が住むチャンドラ・マハル(Chandra Mahal) です。
《シティ・パレスのリディシディ門 ②》

この門に限った話ではありませんが、シティ・パレス内の建物は、ラジャスタン様式とイスラム風のムガール様式が融合した「ラージプート=ムガル宮廷様式」による建造物群として高く評価されているそうで、素人の私にもわかるほどどれも洗練されていて素敵です。
《バードラ・チョークの壁》

ただの壁にも趣があります。
《ドレス・コード》

この人たちがこの館の主ではあるまいかといった高貴な出で立ちですが、ただのマハラジャの従業員です。階級によって服装が違うようです。
《シティ・パレスのピタム・チョーク ①》

リディシディ門を抜けると Pritam (Niwas) Chowk と呼ばれる中庭(広場)です。チャンドラ・マハルの前庭に当たりますが、四方を囲む壁や扉には異常に美しい装飾が施されています。
《シティ・パレスのピタム・チョーク ②》

四方の壁は四季を表わしているそうで、それぞれ違った趣向のデザインで彩られた扉が設置されています。
《シティ・パレスのピタム・チョーク ③》

ちょっと見はイスラム調ですが、よく見ると偶像化された太陽とヒンズー教の神様の姿も見られます。
《シティ・パレスのピタム・チョーク ④》

アルゼンチンの国旗に描かれたインカの太陽神インティにも似ています。
また、バックにはイスラムに見られる幾何学模様ではなくインド風の花びらが描かれているのも特徴的です。
南西に位置するこの門は「バラの門」(Rose Gate)と呼ばれ、冬を象徴し、ヒンドゥー教で「偉大な母」とされている女神デヴィに捧げられたものだそうです。
《シティ・パレスのピタム・チョーク ⑤》

こちらは南東に位置する「蓮の門」(Lotus Gate)です。
《シティ・パレスのピタム・チョーク ⑥》

夏を象徴し、シヴァ神の神妃パールヴァティーに捧げられたものだそうで、放射状の蓮の模様が刺激的です。
《シティ・パレスのピタム・チョーク ⑦》

北西に位置する「緑の門」(Green Gate)は他の門に比べるとちょっと地味ですが、春を象徴しガネーシャ神に捧げられたものだそうです。
《シティ・パレスのピタム・チョーク ⑧》

こちらは北東に位置し、最も美しいと評判の「孔雀の門」(Peacock Gate)です。
《シティ・パレスのピタム・チョーク ⑨》

他の3つは上部中央に小さな神様の像が鎮座しているだけですが、ここでは5羽の孔雀が美しく盛り立てています。
因みに季節は秋、中央はヴィシュヌ神です。
《シティ・パレスのピタム・チョーク ⑩》

屋根の上からも3羽の鳥(たぶん孔雀)が周囲を窺っています。
《シティ・パレスのチャンドラ・マハル ①》

「月の宮殿」を意味するチャンドラ・マハルは、1727年から7年間かけて建てられた7層の建物です。現在は2階以上が当主の住居となっています。なお、実際はこちらは裏側になります。
《シティ・パレスのチャンドラ・マハル ②》

敷地内にはこのように世界遺産に登録されていて然るべき美しく豪華で歴史のある建造物が目白押しですが、現在の当主があまり気が乗らないという事情もあって、今のところ世界遺産ではありません。
《風の宮殿 ①》

シティ・パレスから路地を数本隔てた東側の道路脇に建つのが、ジャイプルではシティ・パレスに次ぐ人気を誇る Hawa Mahal です。
1799年に完成した5階建てのこの建物は、ジャイプルのシンボルとさえ言われています。
《風の宮殿 ②》

小さいものも含めて953の窓が通りに面していて、かつては宮廷の女性たちが自分の姿を見られることなく町の様子を楽しんでいたそうです。また、これらの窓は通風口の役割も果たしており、風通しの良さが名前の由来になったと言われています。
もともとはシティ・パレスの一部を構成する宮殿史跡ですが、現在は個別の施設として運営されているので別途チケットが必要ですが、建物自体は薄っぺらく内部に見るべきものは少ないので通常は入場する必要はないとされています。
《風の宮殿 ③》

宮殿とはいうものの、一般の街路に野ざらしの開放的な立地です。日本などだと、いたずら好きの悪者などによってダメージを受けそうですが、基本的にインド人はわざわざ直接自分の利益にならないようなことはしない合理的な人が多いので比較的安全なようです。
《風の宮殿 ④》

なお、風の宮殿とシティ・パレスの間には、18世紀初頭に造られ、同様にかつて王宮施設の一部だったジャンタル・マンタル(Jantar Mantar)という天文台(こちらは単体で世界遺産に登録済み)もあるのですが、時間の都合で残念ながら訪問できませんでした。遊園地チックな構造物が並んでいて子供から大人まで楽しめるので、お近くへお越しの際は是非お立ち寄り下さい。
《アンベール城 ①》【世界遺産】

ところ変わって、こちらはジャイプールの約10km北に位置する、11世紀末から1947年まで続いたアンベール王国の宮殿 Amber Palace です。
《アンベール城 ②》【世界遺産】

1592年に建築が始まり1727年にジャイプルに遷都するまで延々と改築が続けられた城ですが、2013年に「ラージャスターンの丘陵要塞群」というタイトルで州内の他の5つの城塞とともに世界遺産に登録されました。
《アンベール城 ③》【世界遺産】

周囲は長い城壁が取り囲んでいます。
《アンベール城のガネーシャ門 ①》【世界遺産】

内殿の入口に当たる Ganesha Pol は、「世界で最も美しい門」とも言われる美しい門です。
 
《アンベール城のガネーシャ門 ②》【世界遺産】

シティ・パレス同様、イスラムの香りが色濃く漂う精緻な模様ととても上品な配色です。
《アンベール城のディワニ・カース》【世界遺産】

シティ・パレスにもあったDiwan-I-Khas(貴賓者謁見殿)です。この建物の奥にある Jai Mandir(勝利の間)は、壁と天井が無数の鏡で装飾されていることから鏡の間(Sheesh Mahal)とも呼ばれています。
《アンベール城のジャイ・マンディール ①》【世界遺産】

ジャイ・マンディール(勝利の間)の壁面の装飾です。
《アンベール城のジャイ・マンディール ②》【世界遺産】

鏡の間とも呼ばれるだけあって、こちらの壁には鏡が多用されています。日本人がイメージする鏡の間というのとはちょっと違いますが、とても美しくて良いと思います。
《アンベール城の中庭》【世界遺産】

ディワニ・カース方向から見たムガール様式の中庭です。向かいに見える建物はザナーナー・マハル(ハーレム)、その向こうの山の上に聳えるのはアンベール城のずっと前、1036年に建てられたというジャイガル要塞(Jaigarh Fort)です。ここから見るアンベール城の眺めは最高らしいですが、これまた時間が無くて訪れることができませんでした。
《アンベール城内部の通路》【世界遺産】

もともと小高い丘の上に建つアンベール城ですが、建物自体の高さも結構あるので、敷地内を歩く人たちの姿も小さく見えます。なお、入場者のほとんどはインド国内からの観光客なので服装が色取り取りで見ていて飽きません。
《アンベール城のザナーナー・マハル ①》【世界遺産】

一番奥に位置する建物 Zenana Mahal は俗に言うところのハーレム(後宮)です。
《アンベール城のザナーナー・マハル ②》【世界遺産】

部屋はこの中庭を取り囲む形で配置され、各部屋に王女様達が住んでいたそうですが、王様がどの女性を選んだのかお互い後腐れのないよう、廊下と部屋はどれもとても似せた構造になっているそうです。
さすがにマハラジャだけあって、昨今の風俗店とは発想が逆のようです。
《アンベール城のザナーナー・マハル ③》【世界遺産】

そんな訳で、廊下の壁には乙女心をくすぐる可愛らしい装飾が施されています。
《アンベール城のザナーナー・マハル ④》【世界遺産】

ただ、私が見た感じでは部屋の造りはそれぞれ明らかに違っているように見えるので、先ほどの情報(Wikipedia英語版"Amer Fort"より)は単なる体制側のエクスキューズに過ぎないのかもしれません。
《アンベール城のザナーナー・マハル ⑤》【世界遺産】

昔のハーレムから何かを学ぼうということかわかりませんが、多くのインド人女子が見学に訪れていました。
《アンベール城のザナーナー・マハル ⑥》【世界遺産】

結構遠くから建物の写真を撮っていただけなのですが、目ざとく見つかってしまい満面の笑みを投げかけられてしまいました。インド人は老若男女皆さん基本的に非常にフレンドリーなので幸せな気持ちになります。
《アンベール城のディワネ・アーム ①》【世界遺産】

こちらは Diwan-I-Aam(一般謁見の間)です。
《アンベール城のディワネ・アーム ②》【世界遺産】

ここでも多くの乙女達の関心は歴史的な建造物よりも日本人観光客(たった2人)に集中していました。
《マオタ湖に浮かぶケサール・カヤーリー庭園》

アンベール城の前に広がる人造湖 Maotha Lake に浮かぶ美しい庭園 Kesar Kyari Garden は、入場することはできませんが、アンベール城からの眺めは見逃せません。
《アンベール城 ④》

ケサール・カヤーリー庭園越しに見えるアンベール城も素敵です。
《ジャル・マハール ①》

アンベール城とジャイプル市街地中心部のちょうど中間に位置するマン・サガール湖(Man Sagar Lake)に浮かぶ Jal Mahal (水の宮殿)も、入場することはできませんが人気の写真スポットです。
《ジャル・マハール ②》

この宮殿も、シティ・パレスを建てたサワーイー・ジャイ・シングによって18世紀に建てられたものだそうです。当時の建築技術の高さが窺えます。
《ジョードプル ①》

ジャイプルの西300kmほどに位置する Jodhpur も、長さ約10kmもの長い城壁に囲まれた、ラジャスタン州ではジャイプルに次ぐ第2の都市です。
《ジョードプル ②》

旧市街の中心の時計塔(Ghanta Ghar)周辺と、その周囲に広がる商店街サダル・バザール(Sardar Bazaar)は、インドの大都市らしい活気に満ち溢れています。
《メヘラーンガル城砦 ①》

旧市街の中心部のすぐ北の高さ約130mの丘の上には、インド国内でも有数の城塞とも言われる Mehrangarh Fort が聳えています。
《ジョードプルの時計塔》

旧市街のランドマークともなっている時計塔は、 当時のマハラジャ、サダル・シン(Sardar Singh)によって20世紀初頭に建てられたものです。なお、周囲のサダル・バザールはこのマハラジャの名前に由来するものですが、バックパッカーの間で有名なカルカッタのサダル・ストリート(Sudder Street)は彼とは関係ありません。
《ジョードプルのサダル・バザール裏門 ①》

朝から晩まで多くの人が通り抜けるインドらしい佇まいの門です。
《ジョードプルのサダル・バザール裏門 ②》

門の南側にはサダル・バザールが広がります。
《ジョードプルのサダル・バザール ①》

カートの上に積み重ねられているのは大量の腕輪(バングル)です。インドでは本当に多くのバングル商を見かけますが、実際こんなに在庫をかかえて大丈夫なのか不安なほど山盛り売られています。
《ジョードプルのサダル・バザール ②》

こちらは同様に人気の布製品売り場です。
《ジョードプルのサダル・バザール ③》

もちろん食べ物関連を扱うお店も豊富にいます。すぐ食べられるようカットされたものも美味しそうですが、食べる直前に剝いてもらった方が安全です。
《ジョードプルのサダル・バザール ④》

行き交う人々の服装もカラフルで華があります。
《ジョードプルのサダル・バザール ⑤》

インドでは、牛>車>人間の順に偉いとされているので、商店街だろうが大通りだろうが無頓着です。
《メヘラーンガル城砦 ②》

一通り旧市街中心部を散策した後、先ほど街中から見えたメヘラーンガル城砦に登ることにしました。
《メヘラーンガル城砦 ③》

この砦は、当時この地方を治めていたマールワール王国(Marwar Kingdom)のジョーダー(Jodha)王が、ここから9km北のマンドール(Mandore)からこの地に遷都すると同時に、1459年から16年の歳月をかけて建設したものです。
因みに、ジョードプルという町の名前も彼の名前から取ったものです。
《メヘラーンガル城砦 ④》

アンベール城のような単体の城と違って、内部には王宮や寺院が建ち並ぶ城塞都市となっています。
《メヘラーンガル城砦 ⑤》

城塞内部の広場には勝手にお店を広げている市民もいます。毎日130mの丘に登ってくるのは大変でしょうが、それなりのメリットがあるのでしょう。
《メヘラーンガル城砦から見たジョードプルの町 ①》

約130万人が住む大都会だけあって、密集した家屋が遠くまで広がっています。
写真は東方向を見た様子ですが、中央やや上部に小さく見えるのが時計塔です。
《メヘラーンガル城砦から見たジョードプルの町 ②》

よく見ると(あまりよく見なくても)、建物の多くが青く塗られています。
このことから、ピンク・シティの異名を持つジャイプルに対してジョードプルはブルー・シティと呼ばれています。
《メヘラーンガル城砦から見たジョードプルの町 ③》

また、この地域は年間を通して晴れた日が多いことからサン・シティーという別名もあります。
《メヘラーンガル城砦から見たジョードプルの町 ④》

なお、壁の色が青い理由は、もともと害虫駆除のために化学塗料を塗ったところ、強い日差しの影響で青く変色してしまったのが始まりだそうで、本来は黄緑色だったそうです。
《メヘラーンガル城砦から見たジョードプルの町 ⑤》

因みに、ジャイプルもジョードプルも末尾に「プル」が付いていますが、これは「堀や城壁で囲まれた町」を意味するヒンドゥー語です。サンスクリット語では「プラ」になります。インドに「プル」が付く地名が多く、東南アジアに「プラ」が多いのはこのような理由からです。参考までに、シンガポールもこの仲間だそうです。
《メヘラーンガル城砦から見たジョードプルの町 ⑥》

話は長くなりましたが、結論としては、ジョードプルは、城壁で囲まれたジョーダーさんの町、ジャイプルはジャイさん(サワーイー・ジャイ・シンさん)の町ということです。
《メヘラーンガル城砦から見たジョードプルの町 ⑦》

城塞の西の端から南西方向を眺めた様子です。ブルーな町並みが両側に広がっているのがわかります。
《メヘラーンガル城砦から見たジョードプルの町 ⑧》

切り立った岩山の裾まで隙間無く建物が迫っています。
《メヘラーンガル城砦から見たジョードプルの町 ⑨》

色取り取りの衣類が屋上の床や壁に直接干されているのもインドらしい風景です。
《メヘラーンガル城砦内部 ①》

下界の様子はこれくらいにして、ここからは城内をご紹介します。
正門にあたるジャイ・ポール(Jai Pol、勝利の門)の脇には、戦いでの勝利を記念してこの門を建設したマン・シン(Man Singh)王の凱旋の様子を表わした色鮮やかな壁画が描かれています。
《メヘラーンガル城砦内部 ②》

15世紀中頃以来、500年以上に渡って増改築されてきただけあって、内部では各時代によって異なる建築技法による多様なデザインの建物が見られます。
《メヘラーンガル城砦内部 ③》

共通しているのは、壁面に細かな透かし彫りを施している Haveli(ハヴェリ)という建物です。
《メヘラーンガル城砦内部 ④》

ハヴェリは、ムガール帝国支配下で流行したもので、ここインドを始め、ネパール、パキスタン、バングラデシュなどを含むインド圏全体で見られる建築です。
《メヘラーンガル城砦内部 ⑤》

このような建物は城下町である旧市街でも多く見られますが、さすがに王宮内のものはより精緻な模様が描かれメンテナンスも良いのでとても見応えがあります。
《メヘラーンガル城砦内部 ⑥》

ちょっと油断しているとすぐに親しげなインド人が満面の笑みで現れます。他の国だと写真撮影中のこのような振る舞いは正直困ることが多いのですが、インドの人たちは服装も綺麗だし建物ともマッチするし、何より幸せそうなのであまり悪い気はしません。
《メヘラーンガル城砦内部 ⑦》

内部には博物館もあって、マハラジャゆかりの品々が恭しく展示されています。
《メヘラーンガル城砦内部 ⑧》

側面には志村けん風のライオンが彫られています。あまり威厳はありません。
《メヘラーンガル城砦内部 ⑨》

ご丁寧に左右対称風のものもあります。
《メヘラーンガル城砦内部 ⑩》

宮殿もいくつか用意されていて、金箔が惜しげもなく使われているフール・マハル(Phul Mahal、花の宮殿)はその中でも特に美しいものの一つです。
《メヘラーンガル城砦内部 ⑪》

高さは最も高いところで36mあるということなので、結構な高層建築です。
《メヘラーンガル城砦内部 ⑫》

これらのハヴェリは色合いといい細やかな仕事具合といいまるで木製のように見えますが、実際は砂岩を彫ったものです。こんなんでよく崩れないものです。
《メヘラーンガル城砦内部 ⑬》

出窓と中庭は、この地方の暑い気候下で建物内の風通しを良くする工夫だったそうです。
《メヘラーンガル城砦内部 ⑭》

それにしてもとてもお洒落なデザインです。
ジョードプルを訪れたのは青い街並みに惹かれたのが理由でしたが、城塞内部の美しい様子は想定外の収穫でした。
《メヘラーンガル城砦内部 ⑮》

これだけ見事な建造物の集合体であるにもかかわらず、この城塞はアンベール城を含む世界遺産「ラージャスターンの丘陵要塞群」の6つの要塞には含まれていません。
理由は、この城塞の所有者であるマハラジャが登録に前向きでないという単純なものです。個人の所有物なので仕方ありません。公開してもらっているだけでも有難いと思わなければいけませんね。
《夜のメヘラーンガル城砦》

宿泊したホテルの屋上からは美しい夜景が見えました。ジョードプルの旧市街の宿は屋上にテラスのあるところが多いので便利です。
《夜の時計塔》

ライトアップされた時計塔もきれいです。
《ジャスワント・タダ ①》

翌日は旧市街の北端にある霊廟 Jaswant Thada を訪れました。
《朝靄のメヘラーンガル城砦》

前日に訪れたメヘラーンガル城砦の脇を抜けて進みます。
《ジャスワント・タダ ②》

奥に見えるのが本体です。
《ジャスワント・タダ ③》

この施設は、サダル・バザールで有名なサダル・シン氏が、父であったジャスワント・シン2世(Jaswant SinghⅡ)を偲んで1899年に建てたものです。
《ジャスワント・タダ ④》

外装はよく磨かれたとても薄い大理石で覆われているため、陽の光を受けるとそれはそれは美しく輝く仕組みになっているそうです。
《ジャスワント・タダ ⑤》

訪問時は早朝で日の光もまだ弱く実力が100%発揮しきれていなかったようですが、それでも相当な美しさです。
《ジャスワント・タダから見たメヘラーンガル城砦》

インドの朝は靄が強い場合が多く、何を撮っても写真映えしないのが残念です。
《ジョードプルのサダル・バザール ⑥》

再び旧市街中心部に戻って来ました。
《ジョードプルのサダル・バザール ⑦》

ちょっと遅めの朝食時なので、気軽なストリートフード店が軒を連ねています。
《ジョードプルのサダル・バザール ⑧》

場所取りの関係もあるのかもしれませんが、皆さん朝早くからお店を広げています。
《ジョードプルのサダル・バザール ⑨》

親子で腕輪を販売しています。私たちにも声をかけてくれましたがあまり実用的ではないので購入はしませんでした。インド人はしつこいという印象(や意見)がありますが、私の感覚では大都市で観光客相手の業務に就いている人の一部を除いて結構ドライでさっぱりしています。
《ジョードプルのサダル・バザール ⑩》

オートリクシャはインドの定番ですが、この地方のものは通常より細長いタイプでした。路地が細いのは全国共通なので何かもっと深い理由でもあるのでしょうか。
《ジョードプルのサダル・バザール ⑪》

食べ物はふんだんにあります。インドの庶民は食べ物に困っているという印象もありますが、インドでは就業人口の約5割が農業従事者というほどの農業大国なのです。
《ジョードプルのサダル・バザール ⑫》

下町のハヴェリは穀物商を兼ねていました。
《ジョードプルのサダル・バザール ⑬》

多様な穀物が並んでいます。
《ジョードプルのサダル・バザール ⑭》

奥にはスパイス類も山積みです。それにしてもこの豊かな色彩には恐れ入ります。
《ジョードプルのサダル・バザール ⑮》

発展途上国を旅していると問題が生じたときに必ず言われるノー・プロブレムですが、インドにおける人物像の写真撮影は本当にノープロブレム(ていうかウエルカム)です。
《ジョードプルのサダル・バザール ⑯》

商品も買い手もカラフルなので写真映えします。デジカメだからいいようなものの、以前のアナログ式のカメラだったらフィルムがいくらあっても足りなかったことでしょう。
《ジョードプルのサダル・バザール ⑰》

前日に見かけたフルーツショップはこの日も同じ場所で営業していました。カシミール産のリンゴを熱心に勧めています。一方で買い手の男性はリンゴ1個買うのにも相当慎重な様子です。
《ジョードプルのサダル・バザール ⑱》

こちらの腕輪ショップのご主人も接客中でした。過剰在庫じゃなかろうかと前日に心配したのは杞憂だったようです。

インド共和国の写真集(表紙)へ戻る。

スポンサーリンク

ホテルを検索する

チェックイン日

チェックアウト日